2014年1月8日水曜日

保科陽子著 ピアノの先生の伝え方トレーニング♪

年末年始に読んだ本。

「ピアノの先生の伝え方トレーニング」
保科陽子・著
http://www.amazon.co.jp/dp/4636899342

ピアノ指導者の間で話題になっていた本です。

私たち指導者は、
「音楽の素晴らしさを生徒さんたちに伝えたい、体感してもらいたい」
という思いを持って日々のレッスンに取り組もうとしています。

しかし実際はそういったことの前に、
「生徒さんとのコミュニケーション」の問題が立ちはだかっているのが事実です。

こちら側がいくら熱意を持って指導にあたったところで
生徒さん側にそれを受け入れようとする器がなければ、
その熱意は空回り。

せっかくのレッスンも充実度が半減してしまします。

そう考えると、
生徒さんと良い人間関係・コミュニケーションを図ることはとても重要です。

生徒さんに受け入れてもらえるようなコミュニケーション術を指導者側が身につけ、
実践していく。

これがとても大切で、指導者側の使命でもあります。

良好な人間関係が基盤にあってこそ、指導者が本当に伝えたいこと、
すなわち「音楽の素晴らしさ」を生徒さんに伝えていくことができます。

本書の主人公はピアノ指導暦8年、生徒数30名のゆうこ先生。

ゆうこ先生のところに通っている様々なタイプの生徒さん一人ひとりを事例に、
コーチングのプロコーチである著者が
「こんなタイプの子にはこんなふうに接し方を」
と細やかにわかりやすく解説しています。

私が個人的に印象に残ったのは
『マイペースで極端に進度が遅い』生徒さんへの対応。

「他の子と比べずじっくり見守る」、
ということを前提に、
本人だけでなくお母様へのアプローチの仕方なども書かれています。

以下、少しだけ本文を抜粋させていただきます。

『このタイプは大器晩成型。
成長とともにそれまで内面に隠されていた感性が表に出て、
苦手としていた言語感覚なども発達し、
自分を表現することもできるようになってきます。

すると、ほかのタイプ以上に大成することもあるのです。』

いかがでしょうか。

私たち大人は、つい目先の成果だけに捕われがちです。

しかし、マイペースな性格もその子の個性と考え、
それに合わせた対応、レッスンを行なっていけば、
きっと積み重ねてきたものが花開くときが来る。

長い人生の中で、
いつしか花が開き、
その子の人生を素敵に彩る日がきっと来る。

私はそう信じたいと思います。


話が逸れましたが・・・

ピアノの先生だけでなく、
教育に携わる大人ならどなたでも一読の価値がある本です。

そしてこの本を読むだけでなくて、
こどもたちと接する場でどんどん実践、トレーニングしていくことが、
上手なコミュニケーションを取れるようにするためには必須ですね。








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